研究
スマートフォンでアトピー性皮膚炎の経過観察が可能に ?AI(AD-AI)を用いた次世代型医療への挑戦?
近年、皮疹の画像を専用の画像撮影機器等を用いて撮影しAIで解析をするシステムの開発が進んでいます。その一方で、スマートフォン等を使って簡便に撮影した画像から画像解析を行なえることが望まれていますが、撮影条件が画像診断に影響するという問題がありました。
東北大学大学院医学系研究科皮膚科学分野では、志藤光介医師の研究グループの協力のもと、医学部5年生の柳澤祐太氏が主体となり、スマートフォン等で簡便に撮影された画像から病変部位を認識し、その病変部位を検出し着目させる病変部抽出システムを深層学習を用いて開発することに成功しました。さらに、このシステムを利用すると、アトピー性皮膚炎患者に合併しうる感染症の疾患判定画像診断で、病変部抽出システムの有効性も確認しました。本システムを利用することで、皮疹以外の情報や背景の映り込みなどの皮膚病変撮影時に生じる撮影バイアスを緩衝することができ、さまざまな撮影距離で撮られた画像でも安定したAI解析を行うことが可能です。本研究成果は、AIを搭載したアプリを用いた自己管理型の疾患判定画像診断技術の実用化を大きく前進させると期待されます。
本研究は、2023年1月11日Journal of Dermatological Scienceのオンラインに掲載されました。
Journal of Dermatological Science
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