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東北大学病院

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歯周病科

病棟 - 外来 外来診療棟C 5F
外来受付 Tel: 022-717-8337 独自webサイト -
対象疾患 歯肉炎歯周炎

当科で実施している保険診療

当科では下記「対象疾患と診療内容」に記載した歯周組織の病気に対する保険診療を行なっています。

診療の特色

当科は日本歯周病学会の認定研修施設であり、歯周病専門医の育成を行うとともに、重度歯周疾患に対する治療を積極的に受け入れています。当科では患者さんに優しい治療を目指しております。また歯周病の治療は、患者さん自身のブラッシングによる口腔管理なしでは成功を収めることはできず、病状が安定した後も歯周病安定期治療で長期間にわたって口の中を診させていただくことになります。そのため患者さんとのコミュニケーションを基にした信頼関係を築くことを第一に考えております。
歯周病はプラーク中に存在する歯周病原性細菌により引き起こされる慢性の感染症であり、その発症や進行が口腔清掃習慣に大きく依存することから生活習慣病とも位置づけられています。最近では、歯周病と糖尿病、動脈硬化、誤嚥性肺炎、低体重児出産などとの関連が報告されており、歯周病と全身疾患との深い関連性が注目されています。従って、歯周病の予防あるいは治療を行って口の中の健康を守ることは、生涯にわたって食を中心としたQOLを高めるばかりでなく、全身の健康の確立に大きく寄与することに直結します。私たちは専門的な歯周治療を通じて患者さんの健康に役立ちたいと考えております。加えて当科では歯周組織再生治療に積極的に取り組んでおります。

対象疾患と診療内容

歯周病は、デンタルプラーク(歯垢)によってまず歯肉に炎症が起こり、さらにその中にある歯を支える骨が徐々に破壊されていくという病気です。原因となるデンタルプラークは細菌の塊ですので、細菌感染症ということができます。また歯周病は大きく歯肉炎と歯周炎の2つに分けられますが、以下にそれぞれの特徴を記します。

歯肉炎

歯肉炎は炎症が歯肉に限局した疾患で、主な症状は「歯肉が腫れる」、「歯肉からの出血」及び「口臭がする」といったものです。また歯石の沈着がみられる場合もあります。歯肉炎は10代前半の若年者から見られ、平成11年度の厚労省の調査では10代、20代の方の約60%が歯肉炎に罹っていたという報告がされています。この病気の特徴は、口腔清掃によってプラークを除いてやると健康な歯肉に回復するということで、この時期に早期治療することがこの後に起きる歯周炎を予防する上で非常に重要です。
また歯肉炎の発症や進行は全身状態の影響を受けており、妊娠によってホルモンのバランスが変化する妊婦の方に発症しやすいことはよく知られています(妊娠性歯肉炎)。これ以外に、発熱などの全身症状や口の中の潰瘍形成、痛みを伴う急性壊死性潰瘍性歯肉炎という疾患もあり、専門家による治療が必要です。また服用されている薬物によって特殊な病態の歯肉炎が引き起されることもあります。これは薬物性歯肉増殖症といいますが、普通の歯肉炎のように単純にプラークを除いただけでは治癒しません。影響を及ぼす薬物は、抗てんかん薬(ジフェニルヒダントイン)、降圧薬(ニフェジピン)及び免疫抑制薬(シクロスポリンA)の3種類ですので、これらのお薬を飲んでいる方で歯肉が腫れてきたという場合にはどうぞご相談ください。

歯周炎

歯周炎は炎症が内部の骨などに及んだ疾患で、通常は長期間歯肉炎が持続して病状が進むことにより移行して生じます。歯周炎の症状は、上述した歯肉炎の症状に加えて、進行するに従って「歯ぐきが下がる」、「歯が移動して出っ歯になった」、「歯と歯の間の隙間が広がった」、「歯肉から膿みがでる」という症状を自覚します。また身体の抵抗力が落ちたときには、大きく歯ぐきが化膿して腫れるということが生じます(歯槽膿瘍)。レントゲン線写真では歯を支えている骨の破壊が認められます。そのまま放置していると、やがて歯が抜けてしまうことになりますので、やはり早い段階に治療することが大切です。
歯周炎は通常中年以降の方に多く見られる病気ですが、稀に10代~20代の非常に年齢の若い方で進行した歯周炎(侵襲性歯周炎)が生じることが