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研究

ロシア侵攻下のウクライナにおけるツイッターの分析 ―医療需要の増加とメンタルヘルス上の懸念を確認―

2022.12.22  プレスリリース

2022年2月のロシア軍によるウクライナ侵攻開始以降、ウクライナの人々の生活環境の悪化が深刻に懸念されています。このたび、東北大学災害科学国際研究所の藤井進准教授をはじめとする研究チームは、ウクライナ語で発信された約9,850万件のツイートを分析し、戦時下のウクライナにおける、医療ニーズやメンタルヘルスに関する状況を把握する研究を実施しました。
侵攻直後にウクライナ語で発信されたツイート数は全体で約3倍に増加し、うち、医療やメンタルヘルスに関するツイート数は約4.4倍に増加していました。また、“糖尿病薬”という語を含むツイートは、侵攻直後、比率にして侵攻前の40倍以上に増加しており、被災時に要配慮者となる、“新生児”、“子供”、“高齢者”を含むツイートは、急性期、亜急性期、慢性期の全てで侵攻前より増えていました(1.03~3.57倍)。さらに“出産”を含むツイートは、亜急性期に侵攻前の8.08倍へと増えており、周産期医療に関するツイートも増加していました。メンタルヘルスに関連するツイートについては、侵攻直後に急上昇し、侵攻の長期化とともに再度増加しており、ウクライナのコミュニティにおける精神面の不調の増加が危惧される状況も示されました。今後、実際にうつ病や心的外傷後ストレス障害(PTSD)注2の発症が増加するかどうかを慎重に注視する必要があります。本研究の知見が、国際社会のウクライナ支援における重要なデータとなることが期待されます。
本研究の結果は、2022年12月22日午前0時(日本時間)、The Tohoku Journal of Experimental Medicine誌に掲載されました。

 

【用語説明】

注2. 心的外傷後ストレス障害(PTSD)

自分自身または他人の生命や身体を危険にさらすような、思いがけないときに突然身に降りかかった予測できない不測の出来事などの心の外傷を起こす体験の後に生じる精神疾患。フラッシュバックや悪夢、出来事に関連する刺激を避けたり、否定的な考えや気分、怒りっぽさや不眠などの症状がみられる。

 

プレスリリース資料(PDF)

 

【問い合わせ先】

東北大学災害科学国際研究所

准教授 藤井 進

TEL:022-752-2049(災害研広報室)

Eメール:susumu.fujii.e8*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

 

准教授 國井 泰人

TEL:022-752-2049(災害研広報室)

Eメール:kunii*irides.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

 

教授 栗山 進一

TEL:022-717-8102(教授室)

Eメール:kuriyama*med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

 

広報室

TEL:022-752-2049

Eメール:koho-office*irides.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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