研究
東日本大震災後の避難所アセスメントデータから見えた避難者の健康状況と物資?インフラの関連性 – 浄水?トイレ環境復旧の重要性と難しさ –
2021.05.17
プレスリリース
災害後の避難所における物資?インフラの充足は重要な課題です。東北大学病院の総合地域医療教育支援部の石井正教授、赤石哲也助教らのグループは、2011年の東日本大震災の発災直後から石巻医療圏内に設置された中規模~大規模避難所の定期的アセスメントによって得た記録を解析し、物資?インフラの充足状況が避難者の健康状況におよぼす影響を検証しました。その結果、浄水やトイレ環境へのダメージは特に復旧に長い時間を要し、発災から1か月近く経過しても約半数の避難所で衛生学的な観点から許容されうるレベルにまで回復していませんでした。浄水やトイレ環境が観察期間中に改善した避難所では、避難者の感染性疾患の有症状率が有意に低下していました。本研究は、調査員の目視による各避難所の効率的なアセスメントの有用性と、浄水やトイレ環境などの復旧が遅れている避難所への早期の衛生学的介入の重要性を示唆する報告です。
本研究成果は、2021年5月14日、米国科学雑誌 Heliyon(オンライン版) に掲載されました。
【問い合わせ先】
●研究に関すること
東北大学病院 総合地域医療教育支援部
教授 石井 正
電話番号:022-717-7587
Eメール:t-ishi23*med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
●取材に関すること
東北大学大学院医学系研究科?医学部広報室
東北大学病院広報室
TEL:022-717-8032
FAX:022-717-8931
Eメール:press*pr.med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
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