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【インタビュー】水戸 直子|歯科衛生室 主任歯科衛生士
当院で働く職員が等身大の自分と仕事への思いを語ります。
第4回|水戸 直子(みと なおこ)|診療技術部歯科技術部門歯科衛生室 主任歯科衛生士
子ども時代の経験を反面教師に歯科衛生士へ。
この職業のことをもっと知ってもらいたい。
歯科衛生士を目指すきっかけは?
小さい時、虫歯が多かったんですよ。母親が歯は大事だということはわかっていて、よく小児歯科に通院していた記憶があります。その時の歯磨き指導で、ここが汚れている、あそこが汚れているって行くたびに怒られてばっかりで。すごく嫌な場所だったんですね。それから月日が経っていざ自分の進路を決めなくちゃいけないという時に、あのいつも怒っていた人は誰だったんだろうと思って調べたら、歯医者さんではなくて歯科衛生士という職業の人なんだと。いろいろ調べているうちに、反面教師じゃないですけど、あんなガミガミ怒らなくてもいいんじゃないかという思いが、逆に歯科衛生士を目指すきっかけになりました。
東北大学病院にはどういう経緯で?
歯科衛生士の専門学校を卒業する時に、学校の先生がちょうど空きがあるからどう?と推薦してくださいました。高齢者歯科に専属の歯科衛生士として入職し、訪問歯科診療をメインに高齢者の口腔管理を担当していました。新卒で右も左も分からないという状態でしたが、先生方に指導していただきながら対応しました。施設にも歯科衛生士がいますので、連携を取りながら進めていましたね。
今はどのようなお仕事をされているのですか?
5階フロアの主任という立場で、シフト作成などのマネジメント業務が主な仕事です。直接患者さんに携わることはあまりありませんが、翌日の患者さんはどのような方かをざっと確認して、お休みのスタッフがいれば私が入って診療の補助にあたります。また、歯科は必要な材料が多いので、診療に支障をきたさないように、その物品の管理をしています。歯科衛生士の仕事としては、患者さんの口内の衛生状態を改善するため、一般歯科に近いような歯石除去や歯磨き指導で歯周病予防をしています。歯磨きしているところを見せてもらうとなんとなく磨きグセというのがわかってきます。一緒に問題解決をして最終的にきれいになると「ツルツルになって気持ちいい」と言って帰ってくださる患者さんが多いので、それを聞くと嬉しいなって思いますね。
他のフロアでは、肺炎など手術後合併症リスクを軽減するための周術期口腔ケアや、例えばがん治療により口内炎ができてしまった患者さんが痛みで治療を中断することのないように体調に合わせて口内のケアを行う口腔支持療法などに携わってきました。
今後力を入れていきたいことはありますか?
最近、多職種で患者さんの栄養を支える栄養サポートチーム(NST(*1))のメンバーに入りました。まだわからないことが多いので、NSTに関係する勉強をして、病棟で口の管理を通して入院患者さんの栄養サポートをできるようになりたいです。口内の衛生状態を改善するためには歯科医師だけでなく、私たち歯科衛生士の役割が大きいのですが、残念なことに病院内でも、歯科衛生士が何をしているのか知らない人が多いんですよね。NSTの活動を通して歯科衛生士はこういうことができるんですよ、ともっと出して、病院全体に知っていただけたらと思います。
話は変わりますが、何か好きなことなどはありますか?
子どもが生まれる前は週3回くらいでフットサルをやっていたんです。スクールで知り合ったメンバーでチームを組んで大会に出たりもしました。すごく楽しくて、10年くらいは続けていたと思います。子どもが生まれてからパタリとやめちゃって。機会があったらまた始めたいなと思っています。子どもが大きくなったら一緒にプレーしたいですね。
フットサル練習の合間に
*1 NST:「Nutrition Support Team (栄養サポートチーム)」の略で、患者さんに最適な栄養療法を提供するために、医師?看護師?薬剤師?管理栄養士?臨床検査技師?理学療法士?言語聴覚士?作業療法士?医事課員?歯科医師?歯科衛生士などの多職種が、それぞれの専門知識を生かして連携する医療チーム
プロフィール
水戸 直子(みと なおこ)
福島県出身。宮城高等歯科衛生士学院卒業後、東北大学病院に入職。現在は診療技術部歯科技術部門歯科衛生室 主任歯科衛生士として勤務。