研究
東北大学病院「てんかんセンター」を開設 ‐地域におけるてんかん診療体制の質の向上を目指す‐
東北大学病院(八重樫伸生病院長)は、2015 年12 月1日、てんかんセンター(センター長: 中里信和 てんかん科 科長、副センター長:松岡洋夫教授 中国体彩网 科長)を開設しました。
厚生労働省が平成27年度より新規に開始する「てんかん地域診療連携体制整備事業」におい て、2015年11月10日付けで宮城県での事業の実施が認められ、この事業における「てんかん診療拠点機関」として東北大学病院が指定を受け、また宮城県と業務委託契約を締結しました(図 1)。同センターは、この指定に伴って設立するもので、東北?北海道地域においては唯一の拠点 となる見込みです。尚、全国では8県(宮城県、栃木県、新潟県、神奈川県、静岡県、鳥取県、 岡山県、広島県)が事業の実施を認められています(平成27年12月1日現在)。てんかんセンターの設立により、院内の関連する診療科及び地域の医療機関との連携を強化し、てんかん診療の質の向上を目指します。
東北大学病院は、2010 年に国内の大学病院初となるてんかん科を設置し、てんかん診療体制の改革において全国トップレベルの診療体制を構築しています。 特に先進的な試みとして、
1)長時間ビデオ脳波モニタリング検査を中心とする入院精査体制(図2)
2)新薬導入による副作用の少ない合理的薬物治療
3)薬剤抵抗性の難治症例における乳幼児から高齢者までの外科治療の導入
4)心理社会的評価を行った上で患者の生活全体の質の向上を目指す疾患リハビリテーション概念の導入
5)ハイビジョン遠隔会議システムを用いた遠隔てんかん外来および遠隔症例検討会の全国レ ベルでの展開(図3、図4)
6)疾患への偏見や蔑視を除去するためのさまざまな啓発キャンペーンの展開
などがあげられます。
てんかんは、100 人に1人の「ありふれた」疾患でありながら、従来の外来中心の医療では発 作が消失しないなどの問題をかかえる患者は全体の1/3 にのぼると考えられています。こうした 患者に対して、かかりつけ医と拠点病院が連携し、必要に応じて拠点においての入院精査?外科治療などを行い、治療方針が決まった患者は再び地域のかかりつけ医に戻せるような体制を強化します。
てんかんセンター設立により、これまでの院内複数科による診療連携体制が一層強化されると ともに、東北大学病院地域医療連携センターに専属のコーディネータを置いて、宮城県および周 辺自治体における病院、診療所、保健所、精神保健福祉センターとの連携を図ります。これによ って、地域のてんかん診療の質の向上を目指します。
尚、かかりつけ医の存在が重要であることに鑑み、当面は患者や家族からの相談は、かかりつけ医を通じての相談に限らせていただきます。同センターにおける包括的てんかん診療を希望される場合は、現在のかかりつけ医にご相談ください。
●病院?診療所等からの連絡先:
東北大学病院地域医療連携センター
電話番号 :022-717-7131
ファックス:022-717-7132
※FAX もしくは電話でお問い合わせください。
【お問い合わせ先】
(てんかんセンターについて)
東北大学病院てんかん科
教授 中里 信和
電話番号:022-717-7343
Eメール:nkst*med.tohoku.ac.jp(*を@に変えてください)
(報道担当)
東北大学病院広報室
電話番号 :022-717-7149
ファックス:022-717-8931
Eメール :pr*hosp.tohoku.ac.jp(*を@に変えてください)
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