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リウマチ膠原病内科

科長あいさつ

科長 藤井 博司

2020年4月に、診療科再編に伴い血液免疫科から免疫グループが独立し、リウマチ膠原病内科として新たなスタートを切りました。我々の診療科は関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症、多発性筋炎/皮膚筋炎、血管炎症候群などの膠原病と呼ばれる疾患を専門に扱っております。
膠原病とは全身の組織や臓器に慢性的な炎症が起こり、未治療であれば複数の臓器障害をきたし致命的になることもある疾患です。稀な病気という印象がありますが、例えば関節リウマチは全人口の0.5%前後、30歳以上の方では1%以上の罹患率があり、決して珍しい病気ではありません。症状や病変の部位が違っていても、顕微鏡でフィブリノイド変性といわれる共通の異常が認められるいくつかの病気があることがわかり、それらが膠原病という一つの疾患群として提唱されました。膠原病が提唱された当初はその原因はもちろん病態もはっきりしなかったのですが、その後、“自己免疫”により慢性的な炎症が引き起こされていることがわかってきました。
免疫とは一度感染症になった人が同じ感染症にかかりにくくなる現象のことをいいます。その感染症に対する抵抗力(=免疫力)は主に抗体とよばれるタンパク質やリンパ球と呼ばれる細胞が担っていますが、これらの免疫が自分の体の成分に対して障害を引き起こすことを自己免疫といいます。膠原病での炎症は自己免疫により引き起こされていることが多く、その治療は、ステロイドなどによる免疫抑制療法が主体となります。
一昔前は診断がつきにくく治療開始が遅れたり、治療に伴う副作用で致命的になることも珍しくなかった疾患ですが、近年、疾患特異的抗体の測定、画像診断法の進歩による早期診断が可能となり、生物学的製剤などの分子標的療法の導入による治療方法の改善、副作用の軽減が実現してきております。我々はこういった最新の医療を患者さんに提供すると同時に膠原病診療全体の発展に寄与すべく日々研鑽を積んでおります。

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