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東北大学病院

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腫瘍内科

病棟 西病棟 16F 外来 東病棟 4F
外来受付 Tel : 022-717-7879 独自webサイト 東北大学病院 腫瘍内科
対象疾患 消化器癌(食道、胃、大腸、肝胆膵)/頭頸部癌/骨軟部肉腫/乳癌/胚細胞性腫瘍/悪性黒色腫/造血器腫瘍/遺伝性腫瘍/原発不明癌/その他(悪性腫瘍全般)

科長あいさつ

教授 川上 尚人

腫瘍内科は、がんに対する薬物療法を専門に行う診療科です。日本においては比較的新しい科ですが、当院の腫瘍内科はその中でも早期に設立され、日本のがん治療において先駆的な役割を果たしてきました。消化器がん、頭頸部がん、骨軟部腫瘍、原発不明がん、神経内分泌がん、希少がんなど、多岐にわたるがん種の数多くの患者さんの治療に携わり、常に最良の治療を提供することを使命としています。

私たち腫瘍内科では、効果と安全性が確認され、多くの患者さんに実施されている「標準治療」を確実に行っています。この治療法は、過去の臨床試験や研究によって有効性が証明されており、がんの進行抑制や症状改善において最も信頼できる選択肢です。またそれにとどまらず、新たながん治療の開発にも積極的に取り組んでいます。大学病院として、独自の研究や多施設共同臨床試験、新薬の開発を目的とした治験にも積極的に参加し、未来のがん治療に貢献しています。

近年、薬物療法の技術は飛躍的に進歩しています。かつては治療が難しいとされていたがんでも、新しい薬剤の開発により、患者さんが日常生活を送りながら長期間の生存が期待できるようになってきました。特に分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤の登場により、がんの「バイオマーカー」の重要性が高まっています。「バイオマーカー」とは、がんの性質や進行状況を知るための「目印」となる物質のことです。主に血液やがんの組織から検出され、がんの種類や特徴、治療に対する反応を予測するのに役立ちます。このバイオマーカーを調べることで、その患者さんに最も合った治療法を選ぶ「個別化医療」が可能になります。つまり、がんの「個性」を詳しく知り、より効果的な治療が期待できるようになります。

この「個別化医療」をさらに推進するため、私たちは「遺伝子パネル検査」を積極的に取り入れています。遺伝子パネル検査では、患者さんのがん組織や血液から複数の遺伝子変異を同時に解析し、その結果に基づいて最適な治療薬を選定します。この先進的な検査により、治療の精度を高め、より効果的な治療を行うことが可能です。多くの場合、保険診療にて実施可能です。こうした進歩により、がん治療は従来の臓器ごとのアプローチに加え、近年では「臓器横断的」な治療標的が注目されています。これは、特定の臓器にとらわれず、遺伝子変異や病態に応じて治療法を柔軟に選択するもので、これによりさらなる効果的な治療に結びつくことが期待されます。

がん治療では、患者さんが抱える不安や悩みを主治医に伝えることがとても大切です。治療に関する疑問や日常生活の心配事、体調の変化だけでなく、人生観や哲学といった普段話しにくい内容もぜひ共有してください。これは、私たち医療スタッフが患者さんの価値観や大切にしていることを理解し、納得できる治療を一緒に考えるために重要です。この「意思決定支援」を通じて、患者さんの気持ちや希望を反映した最適な治療が行えます。どんな小さな不安でも主治医や医療チームに気軽にご相談ください。思いや価値観を共有していただくことで、私たち腫瘍内科は患者さんと共に最善の治療を選び、寄り添った医療を提供することができます。あなたが自分らしく生活しながら、前向きに治療に取り組むことができるよう、全力でサポートいたします。

一緒にがんと戦いましょう!

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