これまでの経歴と現在の仕事内容を教えてください。
大学卒業後、建設会社に5年ほど勤め、建築現場で測量や施工図作成、工事スケジュールの調整などの施工管理業務を学びました。その後、縁あって、東北大学の施設系技術職の准職員として採用され、国立大学法人職員採用試験を受けて技術職員となりました。建屋の改修や新築時に利用者と設計事務所や施工会社との間に立ち、利用者の要望を建築基準や各種法令、予算などを見ながら実現可能な計画に落とし込み、施工状況を管理監督していくのが主な仕事です。現在は、日々のメンテナンスなどにも従事しつつ、将来を見据えて長期的な営繕計画も行っています。
建築の道を志したきっかけはどんなことでしたか?
建築士だった両親の影響が大きいのかと思います。いつも忙そうにしながらも、楽しそうに図面を描き、何度も現場に足を運び施主さんと打ち合わせをする姿を見て、とてもやりがいのある仕事でかっこいいと子どもながらに思っていました。その傍にいた私は、気付けば両親と同じ建築の仕事を目指していました。
東北大学病院に入職した経緯は?
もともと母親の建築設計事務所を継ぐことを見据えて建設会社で修業していましたが、バブル崩壊の折、母の事務所は畳むこととなりました。ハローワークで東北大学施設部の求人を見つけ応募したところ、「自分には建築しかない!」との思いが伝わったのか、准職員として採用されました。私たち施設系技術職員は、2-3年で異動しますが、建物管理の難易度の高い病院と辞令交付を受けた際には、びっくりしました。
大切なこと、やりがいを感じる瞬間は?
病院の施設は、不具合が起きたからといって診療や病床利用をストップすることは難しいため、日常の施設点検とメンテナンスが大切です。また、建屋の改修や新築に当たっては、まずは利用者の声をしっかり聞くことが大切だと思っています。よくある例では、扉の開く向きや電気のスイッチの位置です。業者さん任せにし、利用するスタッフに1カ所ずつ確認をしていなかった結果、ラックやデスクと干渉して扉が開けない、なんてことが起こります。要望通りには実現できないこともたくさん出てきますが、これらの要望に対して建築基準や法令をクリアできるよう検討?調整し、図面に落とし込んで工事施工を管理していくのが醍醐味(だいごみ)です。完成後、皆さまの顔に笑顔が浮かんだ時が一番うれしく、頑張って良かったと思える瞬間です。
仕事において普段から心がけていることはありますか?
ややもすると、「できない」「決まりだから」と、自分のルールを押し付けてしまう危険性のある仕事だと自覚しています。利用者の声をないがしろにするとうまくいかず、その結果多くのやり直しが生じ、利用するスタッフも業者さんも私たちも、皆が嫌な思いをすることにもなります。このようなことが起きないよう、これからも精進したいと思います。
趣味や特技があれば教えてください。
趣味は、旅行とおいしいものを食べることです。観光であちこち回るというより、同じ場所に滞在して、のんびり町の雰囲気を楽しみながらおいしいご飯をいただくのが至高の時間です。目指せ、全県制覇!特技は…横で夫が、「寝ることだろ?」と言っています。横になると数秒で寝息を立てます(ここだけの内緒ですからね!)。