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外からの視点

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外からの視点 2024.06.07

横になる日々

富澤たけし

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 膝には水が溜まっている。だが、それだけじゃない。50歳近くなり、体がボロボロだと感じる。まだ動ける60歳くらいで仕事を辞め、嫁さんと旅行でもして、あとは家でごろんと過ごしたい。

 理想は木だ。その場所からじっと動かず、何百年も生きる。人間もきっと、動くと命が削られるんじゃないか、動かずにじっと横になっていれば長生きできるんじゃないか、と本気で考えている。外では立ったり歩いたりと大体いつも縦でいるから、せめて家のなかでくらいは横でいたい。だから家ではネタ書きもゲームも読書もぜんぶ横になってやっている。

 だが先日、なんか痛い…と思って見たら、肘がぷっくり腫れていた。横になって使い過ぎた肘に水が溜まっていたのだ。家でわざわざ縦になるなんて意味がわかんない、許されることなら本当はメシやトイレすらも横でやりたい、と思っていたが、横には横のつらさとリスクがあったのだ。

 縦になれば膝に、横になれば肘に、どっちにしたって水が溜まってしまう。一体これからどうしたらいいんだ?!人生ってやつは、なんてむずかしいんだ…。

 


富澤 たけし

1974年生まれ。宮城県仙台市出身。1998年、伊達みきおと漫才コンビ「サンドウィッチマン」結成。2007年M-1 グランプリ優勝。自身のブログのなかで自らを「膝に水、尿管に石を持つ男」と呼んでいる。


 

※東北大学病院広報誌「hesso」43号(2024年4月30日発行)より転載

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