相当数の医師は(潜在的も含め)鉄道好きだと思いますが、私も小学3年生の時から時刻表を愛読する「乗り鉄」です。学生時代には、ゴルバチョフ政権下で西側に開放的だった頃のソ連でシベリア鉄道(ウラジオストク→モスクワ7泊8日)に乗り、緩和ケアを学ぶために短期留学したオーストラリアでは、大陸縦断鉄道(アデレード→ダーウィン3泊4日)を満喫しました。だからと言って海外の鉄道が好きというわけではなく、最も惹かれるのは旧国鉄時代に全盛だったヘッドマーク付き特急です。特にブルートレイン(寝台客車付き夜行列車)が大好物なのですが、時代の流れで次々と廃止され、2015年の北斗星を最後に定期便は絶滅してしまったのが悲しい限りです(私は廃止の数日前に用もないのに札幌へ向かい、上りの北斗星に乗って仙台で下車するという異常行動を起こしました)。
この仕事に就いてからは、主に東京方面への出張に新幹線を利用する程度で、鉄分(鉄道オタク的には鉄道から得られる栄養素のこと)が大いに不足している毎日です。そんな私ですが、密かに抱いている将来の夢があります。それは65歳になったらJR東日本の「大人の休日倶楽部」に入会し、格安で購入できる「5日間乗り放題パス」で列車に乗りまくることです。若い頃なら、ひたすら列車を乗り継ぐことで満足したでしょうが、すでに長時間の座位保持は身体的に辛くなってきたので、「大人」らしく度々途中下車して、ご当地グルメを楽しんだり温泉に入ったりを楽しみたいと思います。そんな行程を時刻表で妄想するだけでも楽しめる鉄道という趣味は、素晴らしいと思いませんか?外来などで呆けている私を見かけた際は、「また夢でも見ているのか」と温かく見守ってあげてください。